日々は愛のかたまりだったとしても、クリスマスはやっぱり欲しい

唐突に始まるクリスマスネタ。
降谷夢、全年齢です。

【日々は愛のかたまりだったとしても、クリスマスはやっぱり欲しい】

 師匠が走ると書いて師走。遂に今年も残るところあと一ヶ月を切った。この時期になると、やれクリスマス特集だ、歌謡祭だと、テレビは特番ばかりになってくる。先日も、何処ぞのアイドルが“X’masなんていらないくらい日々が愛のかたまり”だとかなんとか歌っていた。いや、普通にクリスマスは欲しい。日々が愛のかたまりだったとしても幾つになってもクリスマスは欲しいのだ。
 竹内まりやの曲が流れる某フライドチキンのCMが流れればテンションが上がるし、雨は夜更け過ぎに雪へと変わって欲しい。チキンに続いて、クリスマス・エクスプレスのCMを頭に思い浮かべたところで、この歌詞の続きが“ひとりきりのクリスマス・イブ”であることに気が付いてしまって、思わず苦笑が零れる。確かに、ここ数年クリスマス・イブは零くんと逢えた例が無かった。何も、思い浮かべる曲にまでそれを反映しなくてもいいのに──。
 そう思っていた所に、思いがけない連絡が入る。画面に表示された“降谷零”の三文字に、驚いている場合ではない。あまりにタイミングが良過ぎて、動画サイトで例のCMを再生しようとタップした指で通話ボタンを押してしまった。慌ててスマホを耳にかざせば「随分と今日は電話に出るのが早いな」と笑われてしまった。

「間違えてタップしちゃって……」
「間違えて?僕の電話に出たくなかったのか?」
「違っ、そんなこと言ってないじゃん……偶々動画見てて、再生しようとしたらさ、……もう、わかるでしょ」

 私の言葉に、電話の向こうで零くんがまた笑い声を零す。

「悪い、ちょっと君を揶揄っただけさ。それより、」

 君、クリスマスは空いてるか?ああ、クリスマスと言っても、ポアロが終わった後だから……25日の22時過ぎ頃だが、と続く言葉に瞬きを繰り返す。

「え、クリスマス?」
「ああ、いい加減有給を取れって上が煩くってね。ほら、ここ数年クリスマスは逢えなかったろう?まあ、正確には26からだからクリスマスは終わってしまうが、君さえ良ければ何処か泊まりで行かないかと思ってね……」

 一泊二日くらいなら休みが取れそうなんだ、と話す零くんの声を聴きながら、手元では慌てて勤務表を取り出す。まさか、クリスマスに逢えるとは思っていなかったから24も25も休み希望は出していなかった。連勤が続くかわりにその翌日から確か連休になっていた筈だと、こんな時ばかり働く記憶力に、シフトをなぞる指も早くなる。

「行く!私も、26から休み!ねえ、やばい……凄い嬉しい、!え、ねえ、何処行く?零くんは何処行きたい?」

 あまりの私の興奮具合に電話の向こうでまた零くんが笑っている気配がした。一日遅れのクリスマスも悪くない、零くんさえいれば──!

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多分続く。続きはまた今度。
寝ます!おやすみ。